マシマシの黒~’16 冬~ / うしとらブルワリー
#137 マシマシの黒 ~’16 冬~ / うしとらブルワリー / Alc.8.4%
バルチック ポーターという日本では珍しいスタイルの黒ビール。
ちょっとアカデミックな話をすると、ポーターというビールは18世紀のイギリスのポーター(荷運び人)が好んで飲んだと言われる由緒ある黒ビール。初めて大量生産が可能になったビールとも言われている。
ポーターは、シングル、ダブル、トリプルなど、麦汁の比重によって様々なバリエーションが生産されたが、そのうちアイルランドのダブリンで生産されたダブルポーターがギネススタウトとなり、ロシア向けに輸出されたハイアルコールのポーターがインペリアルスタウトとなった、と。
で、本来ポーターやスタウトはエールであり上面発酵ビールな訳だが、ロシア向けにバルト海から陸揚げされたスタウトは独自の進化を遂げ、ラガー酵母(下面発酵酵母)を使用したインペリアルスタウトが、バルト海沿岸のバルチックポーターとなった。
スタウトの甘味を伴う香ばしいアロマでボディもしっかりしたハイアルコールビールでありながら、飲んでみるとズッシリくる重さはなく、思いのほか軽いのかな?と思ってしまうくらいスッキリ飲み易い。美味しい黒。
もともと欧州大陸では下面発酵が主流になって、エール酵母を使うものでも下面発酵並の低温発酵させるケルシュの様なビールもあったり、面白いスタイルは沢山あるけれど、その辺はまた別の機会に。
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